嘘つきパラドックス

作者相坂 英次

謎が謎を呼び、嘘と事実を歪曲させる。二人の女性と二人の殺人鬼、そして、連続自殺事件の影に潜むのはクラブハウス。

何が本当で、何が嘘なのか?

もしかしたら、すべてが嘘だったのかもしれない……。


 クラブ♣E・A

   ―夜―



「今から自殺するの? それなら、たくさんの自殺を見せてあげる」


なにもかも偽って生きていた“僕”は、サヨコと名乗った女性に様々な自殺を見せつけられた。死の瞬間、他人が死ぬ光景に必然的な何かを感じてしまう。


その翌日には、サヤと名乗る女性に出会う。サヨコと瓜二つの彼女の兄は、失踪したという。



人間を解体し、肉辺を壁に打ち付ける猟奇殺人。

それは、“クローバー”事件


数ヶ月前から足取りが途絶えた連続殺人鬼。

それは、“夢喰い”事件。


自殺を促し、社会の裏に犇めく。

それは、クラブハウス。


謎に隠された嘘と事実が複雑に絡み合い、僕はすべてを目撃する。


願望と欲望が渦巻く社会。

二人の連続殺人鬼と二人の女性。そして、クラブハウスの正体を知ったとき、僕は戦慄した……。