棘姫-イバラヒメと天然王子-

作者ツバキ

立てば杓薬、座れば牡丹

歩く姿は百合の華…


それが、あたしの形容詞。あたし以上に合う女は居ないの。

けどね…、それを意識して生きてたら、あたしは生きてはいけない。


女の世界は、自分に自惚れる時間などくれない。


そう、隙あらば攻撃してくるのが、積の山なの。


産まれ持ったこの顔。


だけどね、それに見合うようにあたしは努力しているのよ。

知らない馬鹿な女共は、羨ましいと妬んで、皮肉るばかり…。

そんな暇があれば、己を磨けよ。


まぁ…面倒だから、言わないけどね?


この世の全ては、あたしの為に回ってる。


あたしはそう思っていたのよ。


いや、過去じゃなくて今もだけど。


そんなあたしの前に、一人の冴えない男が現れた。


そこから、あたしの全ては狂い始めた…。