ふわり、香る。
「きらい、なんてそんな分かり易い嘘、俺が気づかないわけないでしょ?」
初恋のあの男の子は、あなたなの?
「好きだ、好き、すーげえ好き。だから早く」
――あなたであれば、いいな。
「もうね、俺、そうとう参ってんの。ほんと、どうしてくれんの」
くふふと笑う独特の声。子犬のように垂れた眉。にやりと上がる口角。
あなたに恋して、何度も泣いた。
それでも気づけばまた恋してる。
ばかみたいでしょう?
そう言ったらあなたはやっぱり、くふふって笑った。
メランコリックな星空に唄う