水のない水槽

作者ちゅちゅ


微かな希望も


私には残されていないとあの瞬間


あの一言で理解した。



凍付くような視線で


私を睨む




耳にかかる息に



背筋が凍った。




私は言った


何度も涙を堪えて

「や…めて下さい。」




そんな私の声も



彼には届かない。





「黙って脚を開け」





嗚呼…



私はもう



泳ぐことのできない魚だ



《水のない水槽》