アマノガワ (高校一年・夏)

作者松本秀悟


人は最低限、幸せになる為に生きていると思う。

幸せが欲しくて、日々色々な努力をして生きている。

 

しかし、人というのは「今、自分は幸せだ」と自分でわからない生き物ではないのかとも思う。

 努力して手にしたものはいつしか手にしたものが当たり前になってしまって、もっといいものが欲しくなってしまう。

「向上心」と言えば聞こえはいいかもしれないけれど、要は尽きることのない「欲」だ。

どんなにものを得てもすぐ次のものを欲しがる。

 

このことを悪いとは言わないけれど、もう少し、今ある幸せを噛み締めてみてもいいんじゃないだろうか。

 

だって、人が今の自分を幸せだと思えるのはいつも決まって、今あるものを失った時なんだから。