「落ちてきそうだね。」
お父さんが昔、満天の星空を見上げながらこぼすように言った。
今でも覚えてる。
私とお父さんと、それから朔。
三人で花火大会に行った時の帰り道。
私たちはお父さんのその言葉から、
星は落ちてくるものなんだ。
と、
目を輝かせながら、めいっぱい両手を広げて叫んだ。
「落ちてこい!落ちてこい!お星様落ちてこい!」
結局その日、星は落ちてこなくて、私たちは「お星様は僕たちのことが嫌いなんだ。」と泣き叫んだけど、
次の日にはそのことをケロッと忘れていた。
落ちてこい
落ちてこい
私の所まで
落ちてこい。