―あなたの想い、確かにいただきました。
見上げれば、そこにいたのは吟遊詩人。
花を友にした、吟遊詩人。
花に意味を、人に感情を。
詩《コトバ》は全てを超越し、何かのために動き出す。
彼はただの吟遊詩人。
姿は出さず、想いだけを見続ける。
そんな彼がこう言い出した。
「花は草が化けるのではないのです」
人を草が化かしている。
と。
そうして、吟遊詩人は思いを求め、思いを探し歩き出した。