しあわせなんていらない
願いがかなうなら
お月さま
あなたの光に
わたしはなりたい。
二〇〇五年九月三日
拝啓
お月さまへ
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お月さまにあてて書かれた一生懸命な日記帳です。
語り手は教室にどこでもいるような、少し無口な中学二年生の女の子。
演劇部の部長をつとめていますが、しっかり者の後輩たちに負けそうになりますし、日常生活のささいなことですぐに落ち込んだり、はしゃいだりします。おまけにコンプレックスの固まりです。
しかし、彼女は夢を持っていました。
《作家になること》《詩集を出版すること》です。
そして自らの志しにつきうごかされるように、階段を一歩一歩のぼりはじめるのです。
なお、実際に書いていた本物の日記をなるべくそのままに公開しております。
そのため、つたない箇所や、いま読むと、少し幼い印象がありますが、あえて変えませんでした。
どうぞお読みください。