涼音

名作
とても素晴らしい作品でした。
景色や匂い、感触をこんなにも感じられる作品は久しぶりです。

ルカの前に久しぶりに現れたこずえ。彼女の自由奔放でどこかあどけないキャラクターがとても魅力的でした。
そんなこずえとルカの会話のやり取りがとても心地よく、ずっと読んでいたいと思いました。

彼女たちの幼い頃の思い出は微笑ましくて、懐かしさを感じました。自分の子供の頃はこうだったな、なんて思い出したりしました。

途中からなんとなく感じていたこずえの正体ですが、結末で真実がわかると予想していたけれど、やっぱり切なかったです。
けれど、ルカは前に一歩踏み出せました。こずえがルカに与えたものはとても大きいと思います。

丁寧な語り口で読みやすく、構成もとても上手いと思いました。
これは本当に名作だと思います。ぜひ読んでみてください。