きたみ まゆ

清々しい読後感
目にした景色や、匂いや、温度
記憶に残るものはたくさんあるけれど

耳の奥に残る声は
特別かもしれないと、思いながら読みました。


複雑な事情で離れ離れになってしまった兄妹。
再会したけれど、歩み寄ることのないふたりの距離。

お互いの心情を少しずつ明らかにしながら展開する物語は

丁寧な心理描写と
独特の比喩を混ぜた情景描写が印象的です。

切ないけれどどこか清々しい読後感の素敵な作品でした。