虹架ける未来へ~ 1話 ホタル

作者アイ

あの日 初めて二人で蛍を見に行った日 後ろから抱き締めた時 アイが身体を預けてくれる重みを感じてやっと少しは心を開いてくれたのかなってそれがとても嬉しかったんだ

夜空に背伸びをして

思い切り手を伸ばした

私の手の平に

カレの大きな手の平が重なった

そのまま 重なった手を離さないで 合わせたまま

ソッとのぞいてみた


二人の手の中で光るホタル


今を精一杯生きているのね


こんなにも小さな身体から放つ

こんなにも小さな光に

こんなにも魅了されてしまう


仲間の所に帰りたいって


合わせていた手をソッと離した


さよなら・・


田んぼ道を少し歩いた

振り向くとそこは別世界

まるで夢の世界


でも繋いだ手から伝わる

カレの体温はとても暖かくって


後ろから抱きすくめられた

カレの身体はとても暖かくって


夢じゃないね・・


「俺と見たってコト 忘れないで」


うん 

きっと一生忘れないよ



翼とアイの最初の思い出

二人の大切な思い出