彼の目はなんの色もうつしていなくて。脆く今にも壊れてしまいそうなそんな彼を…狼を…私は拾いました。
はじめてあなたを見たとき
ああ、彼をこのままにしたらきっと
彼は死んでしまう。
ふと思いました。
だから私はそんな彼を…
狼を拾いました。
「あんただれ?」
「家に帰らないんですか…?」
「帰る家がねぇ。」
「なら、あなたの帰る家をあたしがつくってあげます。」
これがすべての始まり。