・・涙の雫・・

作者瑠菜






―――雨の匂い。









風が運んだ雨の匂い

が私の鼻先を霞めた




私は1ヶ月に

3回ある検診のため

病院に来ていた。









私が『緑内障』という病気になったのは今から3年前・・。











――それは突然だった










世界が真っ暗になった

道が分からなくなった

私は光を失った。








生きる希望も









――― 失った。









何度か死のうと

思った。









・・でも死ねなかった。








あの人が―――









愛する人たちが

私の傍に―――












―――心の中に

いてくれたから・・。