祥太が死んでからあれから2ヶ月が過ぎ、今はもう八月の半ばだ。
恋なんかもうしない。いつもそう自分に言い聞かせながら毎日を乗り越えてきた。
ある朝の出来事だった。
「葵、絵好きだって言ってたわよね?」
お母さんが聞く。
「うん、、好きだよ。どうしたの急に?」
リビングの棚から取り出したのはなんかのパンフレットだった。
「これ。とても有名なアトリエらしいわ。あんたどうせ勉強もろくにできないんだから。お父さんと昨日はなしてたんだけどね、美大の道もいいんじゃないかしら?」