『は?何言ってんのお前』
奴は笑う
『お前に拒否権なんかねーんだよ』
その綺麗に整った
口角を上げて
『この俺が逃がすと思ってんの?』
その低く甘い声が
脳を侵す
奴は王様
誰も逆うことなど出来ない
自分勝手で傲慢で
そして美しい
野獣のような目をした男
奴は言う
『諦めろ』
その淡い色をした瞳を
優美に細めて
そして囁くの
『お前はもう俺のモンなんだよ』