少年は恨みを果たすため、ある少女を利用しようとした。しかし少年はその日々の中で少女の心と自分の罪を知り、二人はそして__
純情と欺瞞、恋心と憎悪が交錯する物語。
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俺はあいつが憎かった。
あいつはいつも、俺にしかわからないように俺を見下した。
あいつは謙虚なふりをして好感度を集めているが、あいつはその下にひどく傲慢な心を持っている。
でも俺は知っていた。
あいつが、彼女を好きなことを。
だから彼女さえうまく操れれば、俺はあいつを見返せると思っていた。
彼女はうまくやってくれたし、あいつの悔しがる顔も見ることができた。
なのに俺は満足できなかった。
完璧に、あいつに勝つことができたのに。
俺はそれと引き換えに、とんでもない罪を犯してしまったんだ。
分からない。
どうしてこうなってしまったのか。
どうして俺はこんなに悩んでいるのか。
恋とは、憎しみとは、今この胸に渦巻く感情は何なのか。
何もかも、分からない。
こんな俺は、彼女に一体何をしてやれるのだろう____
情報
三章の前、幕間追加(2012/1/17)