しき

生と死
読み終わった後、なかなかこの物語の余韻から抜け出せませんでした。
結末は読みはじめからなんとなく想像はついていたけれど、本当にこういう終わり方しか出来なかったのか?
もっと違う結末はなかったのか?
考え込んでしまったからです。

正直こういう不幸のオンパレードのようなストーリーは苦手です。
わたしは人生悪いことがあったら、その分いいことがあると信じていたいので。
それに長編であればあるほど、ここまで読んできてよかったと読者に思わせるストーリーであって欲しいと思うのです。

だから、(おそらく加筆分だと思うのですが)この物語のエピローグには救われた気がしました。
失われた命の中に、助かった命があったこと。
主要人物全てが死んでしまうのではなく、二人の分まで生きようとする生があったことにほっとしています。
最後は涙が止まりませんでした。