あたし、川瀬由宇。14歳。
顔は普通で、平凡な、中学3年生。
窓から吹く、4月の暖かい風が、頬にあたる。
そして、セミロングの髪を揺らしていく。
顔をあげて、後ろを振り返ってみた。後ろからは、
クラスメートの囁き声。
「わ、きもォ。見てるよ、ブサイクが。」
ギャハハ、と笑い声が響いた。
怖い・・・。
どうしよう・・・。
あたしはゆっくりと視線を下に下げ、顔を戻す。
・・・あたしには。
「いじめ」という大きな壁がある―。