大人ってさぁ。うちらに言わないじゃん。
「愛してるよ。」・・・ってさ。
だから上手に使えないんだよね。
「愛してる。」って。
純粋な中学生達に手を引かれ、
飛び込んだ二次元の世界。
現実逃避の道具でしかなかったペラペラな世界で、
佳奈子は、心の中に閉まっていた箱を開けた。
溢れだす思い出、飛び交う過去。
今を懸命に生きるのは、過去があるから。
今を笑って生きられるのは、二次元の恋があるから。
「愛してる。」
それは、恋人たちだけの言葉じゃないこと、
気づいて、そして、伝えて。