二次元の恋

作者ミサ子

現実逃避に選んだのは、二次元の世界。ペラペラな世界で佳奈子が見つけた「愛」。それは笑って生きるために、必要な「愛」でした。

大人ってさぁ。うちらに言わないじゃん。

「愛してるよ。」・・・ってさ。


だから上手に使えないんだよね。

「愛してる。」って。


純粋な中学生達に手を引かれ、

飛び込んだ二次元の世界。


現実逃避の道具でしかなかったペラペラな世界で、

佳奈子は、心の中に閉まっていた箱を開けた。


溢れだす思い出、飛び交う過去。


今を懸命に生きるのは、過去があるから。

今を笑って生きられるのは、二次元の恋があるから。


「愛してる。」

それは、恋人たちだけの言葉じゃないこと、

気づいて、そして、伝えて。