NOEL

プロをも連想した、超越した文章 内容 画力
アリスはパートナーに想いを抱くフリーランスの傭兵。傭兵などといえば暗い話を連想しがちですが、アリスのツンデレキャラにより明るく進む話はとても読みやすい。

この作品の見所。それはなんと言っても、多作を遥かに超越した文章力、そして画力ではないでしょうか?

銃や絵、ドイツ、ナチスなど、物語の小道具や背景となる出来事の説明を詳しく書く。これはケータイ小説では滅多に見ないものであり、それにより作品の完成度の高さが伺えました。

文章は、一見長ったらしくもあり難しい用語で溢れているが、絶妙な改稿やキャラの砕けた性格により堅苦しさを感じさせない読みやすい作品です。

キャラが死んでしまうエンディングはどうしても寂しく感じてしまうが、死に逝く人物の過去のしがらみが全て見えた最期は寂しく切なく温かく。過去も現在も、全てが綺麗に美しく魅せられ、それを表現しきる長けた文章力には惚れ惚れしてしまいます。

内容、文章、画力。全てが多作とは違うと本気で感じ、その能力にはプロをも連想します。この能力があるのなら本気でプロのラノベ作家を目指し、書籍化してほしい。そう思ってしまう物語でした。