初めて、頑張りたいと思った。
全てを諦めていた私に、貴方は手を差しのべてくれたね………?
だから、今度は私が貴方を笑顔にもどしてあげるよ…。
……どんなに辛くても、私頑張るから。
ねぇ……?
もう一度笑って?
もう、私の名前を呼んでくれなくてもいいから。
“私”を愛してくれなくてもいいから。
もう一度…あの笑顔を―――。
キュッと唇を噛み締め今にも溢れおちそうな涙を無理矢理に引き込め、貴方の前にたった。
今日、私は、私を捨てる。
この17年間生きてきた“高瀬栞奈”を捨てる。
そして―――これからは、貴方の“愛していたひと”として生きます。
栞奈は一星が大好きでした。
決して口にはできない想いを胸に、私は今は亡き妹を装った。