現実と空想のはざまで、白い部屋の中で暗い顔をした、そうまるで灰色な存在の僕は、ただ彼女を見つめていた。

彼女は現実を諦めて、僕は現実から疎外されて。

僕は、新しい始まりが息吹く季節に向けて、風たちが生命から少しずつ力を集めていく様を想像する。


季節が巡り、小さな変化を愛おしいと思い、誰かと一緒に喜べる日々を重ねて……


その季節は、いずれ必ずやってくる。