作 幸 勇高
今、目の前にあるもの。
それがすべてじゃないんだ。
でも、それすらも見ようとしなかった。
見ようとしなかった。
自分自身で何を見ているのかわからない。
ふと、目をそらした時。
その手から砂はこぼれおちた。