架空都市、広島県長山(おさやま)市。その中心部に位置する尚綾(なおあや)町。
長山という地名は、かつては県下で1、2を争う紅葉の名所からつけられた。
その長山も今では都市開発の被害者として、住宅誘致のためにキレイに整地され、上空からは碁盤にもにたマス目が描かれている。
尚綾についてはいつか話すことになるだろう。
そんな尚綾町の一画。
コンビニにて立ち読み中の『自称名探偵』が1人。
作者が思うに、物語の中に存在する探偵の性質は、間違いなく『疫病神体質』だ。
おかげで共演者は殺されたり、疑われたり、振り回されたり、死にかけるなんてのが一番迷惑だろう。
そんな疫病神がやっぱり主役の物語。
立ち読みも一段落したその頃、物語の幕はすでにすっかり上がっていた…