千蓮

死に部屋で何想う。
例えば「愛情」を、本能のままに振りかざしてしまったとしたなら、それは立派な犯罪になる。

兄が抱いていた「愛情」は、深すぎる故に、歪んでしまった――。


話の運び方が上手く、描写にも優れていたため、テンポよく最後まで読みすすめられました。

が、読後暫く余韻に浸りながら、考えずにはいられなくなったのです。
「愛情」とは何なのか。「憎しみ」とは何なのかを――。


中々考えさせられる、深い作品でした。