道連れ十四段

作者


 私立洋創学園中等部に通う一年生の相澤 操は林間学校の夜、友人達と怪談をする。

旧校舎の怪談――それは誰も知らない、知ってはいけない奇怪な物語。



 四階の屋上に繋がる階段。そこを深夜0時に両目を瞑りながら登り、十四段目で立ち止まる。そして右手を前に出すと誰かがそっと引っ張ってくる。――もしもそのまま、もう一段登ることができたら、その人は願い事が叶うんだって。



 七年前の事故と一人の行方不明者。そして母の奇妙な死の謎。

 固く結ばれた糸が解ける。それは静かな、誰からでもない合図。



「だめ。――それ以上、関わっちゃだめ……」





誰も知らない。


『道連れ十四段。』