万を越える書物が、本棚が、
所狭しと立ち並ぶ
暗く、
静かな大図書館に異質な音が響く。
「……また…」
小悪魔のク・リトル・トゥールー、通称リトルは図書館で奇妙な音を聞いた。
クチュ、クチュ、という、湿った音。
彼女は知っている。
研究が終わった時、詰まった時に、聞こえてくる。
そのたびに彼女はソレを確認していた。
音を立てないようにして、音源に近づいてゆく。
やはり、この部屋から聞こえてくるようだ。
クチュクチュという音と供に、
吐息のような音も聞こえてくる
「んっ……、ぁふ……、」
……パチュリー様……
リトルの視線の先には、
ネグリジェの裾を口に咥え、
両足を机の上に投げ出して、自慰に耽る召喚主の姿があった。
クチュ、クチュ、という
異質な音の正体は、図書館の魔女パチュリー・ノーレッジによるものだった。