記憶の中でさまよう時間

作者皐月

過去の時間は何に値する?今までにあった辛かったこと、楽しかったこと。きっと正しい答えなど見つからない。そう、それが正に記憶なのだからーー。

「過去に過ごした時、それが記憶なのよ」


完全に見透かしたような目をして俺を見る。

過去に過ごした時が記憶。

その言葉だけが頭の中をぐるぐる回る。


過去が存在しない人間などいない。

もし過去という記憶が存在しないのなら、それはどういうことなのだろうか。


-記憶の中でさまよう時間-