夏生が最後に投げた球はまっすぐなストレートだった
「がんばれー!!」
わあぁあぁぁ…っと
歓声が響く球場で
みんなが必死に応援する中
あたし一人だけが
「がんばんないで」
そう願って涙を流した
「負けていいから
だから…っ」
あたしだけが知っていた
夏生の最後の夏