魔法使いとシンデレラ

作者【時雨】


灰かぶりのシンデレラは信じてた。

王子様はきっとこんな姿でも好きになってくれるはずと。

人を見た目で、身分できめつけたりしないはずと。


でも解かってた。

灰かぶりのこの姿では、ちっぽけで惨めなだけだと。

こんな私じゃ王子様とは釣り合わないって事を。


だから頼んだ。

魔法使いに美しく着飾ってもらって。

身分も、名前も全部忘れて。

夢の世界に飛び込んだシンデレラを


魔法使いは哀れな目でみていた。