「すべてを失えるということは、
それに相当するほど、
大切な何かを掴めるってことだよ。
亮ちゃんはそう思うのかな?
わたしはっ……透子は。
亮ちゃんに自分をさらけ出すことで、
大切なものを得られる確信なんてないよ。
ごめんなさい」
透子。亮の初恋。
「もっと大きい声で話せよ、
聞こえねえよ、
なあ、何でそんなに悲しそうなんだよ、
なんで俺は何にも分からないんだよ……」
わたしは貴方に別れを言う。
貴方はわたしに別れを言う。
グットバイ。