それまでわたしは普通の9歳の女の子、そう思っていた。でも、今ではもう自分の本当の誕生日さえわからない。
- コメント–
- スタンプ–
- しおり4
わたしのピンクの錠剤
(全220ページ)
小学校に入学したとき、
わたしはクラスで一番
背が高かった。
首ひとつ飛び出していた。
生まれつき、
背が高かったわけじゃない。
ましてや、
早熟だったわけでもない。
ただ、普通の子より
成長期間が長かっただけ。
でも、
その頃はまだ何も知らなくて
「本当の誕生日」が
別にあるなんて
思ってもみなかった。