吉澤 憙津

恋愛下手のラブストーリ
レビュータイトルを色々考えた結果、恋愛下手のラブストーリとさせていただいた。 


主人公の伊崎のような生き方はきっと疲れるだろうと思う。

まわりの空気を読みすぎて、本当の気持ちを前面にださないで押し殺す。

結果的には行動がちぐはぐで、優柔不断と思われながらも、首の皮一枚で何とかみんなとの関係を保っていけている。 

そんな世の中にわりといそうな男の心理を見事に描写しきった作品に思えた。

更によかったのは、二年間での伊崎の成長の姿を表現している点かもしれない、先輩営業マンの訓示はあくまでもトリガーであって、実は葛藤の中で自らをこえてゆけたのではないかと思われる。 
そう!まるで、自分が彼らを知っているかのように物語の中に入っていけるリアリティーと魅力いっぱいの作品である。