戦争中に生まれたせみが短い命をどのように生きるか考えるお話です。
せつなくも響く そのうたごえは
愛する 恋の歌
かなしくも響く そのうたごえは
生きる 喜びの歌
せみは枯れ枝についた卵から、生まれる。
卵から生まれるとすぐに、土の中へもぐる。
そして5年、暗い土の中で待ち続ける。
大人になるのをひたすら待つ。
時がきた。
せみはなにを思うだろう。
この光り輝く世界を見て
せみはなにを歌うのだろう。