10年前
入院先の病院で会ったのが
全ての始まりだった――――
『ねぇ千駆くん!昊ってどーゆー色なの?』
瞳の見えないキミは
屋上で僅かに輝く太陽に手を伸ばしながら、口癖のように言っていた。
『私の夢はね、昊の色を自分で見ることなんだ。』
蒼い昊、白い雲、輝かんばかりの太陽の光り
キミは目が見えないけど
キミの居る世界は
とてつもなく綺麗で、眩しい。
だけど
俺は、君の綺麗な世界から消えることになった。
10年越しのラブレターを
キミに贈る為に、またキミを捜すんだ。
何度 路に迷っても キミと逸れても
今度は
絶対に離さないから。
―――10年後の奇跡の物語。