8人で暮らしていた家から、1人離れてしまった妃乃亜(ひのあ)。10年後、届いた手紙により家に帰ったものの、妃乃亜は昔の記憶を殆ど失っていて…。
溺れすぎた自分が、
恐かった。
今度こそは、
幸せになれると思った。
守れなかったことを、
償いたかった。
一人だけでも、
疑わずにいようと思った。
それでしか、
自分自身を守れなかった。
ずっとずっと、
羨ましかった。
自分を見失わないように、
必死になっていた。
帰る場所はここだと、
言って欲しかった。