私はサクラ、君はタンポポ

作者倫尚

ひとりぼっちの桜の木と、彼女に寄り添うタンポポのお話。


※擬人化推奨。





私は桜。

孤高の桜。


まるで取り残されたように佇む一本の桜の木。


もう誰も見に来ない桜の木。


春が来る度に儚く散るのが常。


ただそれだけだったのに。



私の元に、欝陶しいアイツが現れた。


黄色い花弁はまるで太陽のようだった。


ほんの一時でも、私を明るく照らした温かい太陽。