空に手を伸ばせ

作者trombone

吹奏楽をしている美夏は、幼なじみの麗美と共に全国大会を、翔太郎は甲子園を夢見ている。夏の大会に、全てをかける3人。それぞれの思いが交差する、青春物語。



背番号1番が、太陽に照らされた。


すうっと息を吸った。


金属に唇を当てる。


目をつぶった。


君に、届け。


この音よ、届け。


ひたすら前を見た。


どこまでも果てしなく続く夢へ、手を伸ばし続けた。


全て、君がいたからです。


涙が頬を伝う。


空へ、手を伸ばすんだ。


音よ、君に届くんだ。


一気に、息を吐いた。