届いていますか?

作者まりか



夢から覚めないようにと

血管を巡り続けた



覚せい剤



幸せになるための

選択肢だった

こんなはずじゃなかった


気付けば化粧し続けた体と



感情の無い心だけが

残っていた



貴方の目に映る

手錠をかけた私




顔を上げることさえ出来ず


視界の中にいない

貴方の声が

俯いた私の耳には届いた


声を押し殺し

静かに流れた涙




そして今私は目を閉じた