ハナちゃんと呼ばないで。

作者maro

『ハナちゃん』


私が生まれてからずっと、私の名前を呼んでくれる彼の声は・・・



陽だまりのように温かく



包み込むように優しくて



甘いものでした。



私は息を吸うごとく自然に向かえの白い家に住む10歳上のお兄さんに恋をしました。




『ハナちゃん』




でも、いつまでも私をかわいい子供のように呼ぶ彼の声が時々・・・



息が詰まるほど切なくて


見えない壁をつくる、残酷な声に聴こえるようになりました。



『ハナちゃん、


「お願い、ハナちゃんと呼ばないで」




シュウくん、ハナはもう18歳の大学生です。


お願いだから、子供扱いしないで。




年上の彼に恋する女子大生ハナと


彼女を妹のように思う鈍感な大学准教授シュウのお話。





※ゆっくりと密かに更新予定です。