昔から綺麗な物が大好きで、自分の物にならなくても、見ているだけで幸せだった。
自分の物にしたいと欲がないわけではなかったけれど、綺麗な物は当たり前のよう高価だったり、危険な香りがしていたから、どこかで我慢していたのかもしれない。
綺麗なガラスの欠片を掴んだら、尖った先で血を流した。
綺麗な蝶は力を少し力を込めたら羽が落ちた。
鮮明に蘇る・・・
あの夏の日々はとても綺麗で、欲しがってはいけなかったのかもしれない・・・