高校三年になろうとしていた春だった。
まだ寒さの残る三月、学校の下駄箱で
僕は君に出会った。
全てが変わる予感がした。
君を見た瞬間、僕はもう君のものだった。
なんて、それも嘘。
最初は、中学の頃憧れていた先輩に似ていたというだけだった。
顔はもちろん、ちっちゃくて少しぽっちゃりしているところや、髪型や化粧の仕方まで。
これを聞いたらやっぱり君は怒るのだろうか。
いつものように少しほっぺを膨らませ、『もう嫌い』と、小さくこぼすのだろうか。
今君に。
君に出会って三年たった今、
僕は初めて君に“本当”を言います。
僕はずっとずっと、
君が好きでした。