うのたろう
不良漫画に恋愛要素を絡めて爽快
昭和の不良漫画を小説にすると、こんなぐあいになるのだろうか。
女性というよりも、むしろ男がたのしめる。
番長――
この古くさい呼びかたが、胸の奥のなにかをくすぐる。
主人公であり「番長」の比呂斗は雨の日に由梨と出会う。
おなじ学校のひとつしたの女の子だ。
由梨は次の日から傘のお礼に、比呂斗のいる屋上に弁当をとどけにくるようになる。
それと同時期に、対立する不良・村井が陰で動きだし、物語はヴァイオレンスの様相を呈してくる。
汚い男・村井の行動は、べただ。
悪者の不良がよくやる手口で比呂斗にせまる。
そして物語はクライマックスの戦闘シーンへと突入する。
そこでもひとつくふうがあり……
漫画的なストーリーに恋愛要素をハイブリッドした、すがすがしい作品にしあがっている。
心地いい。
すくなくとも、個人的には大好きだ。