夜明けの夜

作者まりな

ねえ、ユウ。私は夜しか起きていられないけれど、それでもあなたに好きになってもらえるのかな?真昼の空の下を走ったこともない私でも…。

彼女の髪の毛は、

夜空より真っ黒で、

散らばる星のように

艶があり、

どこの月より綺麗だった。


それなのに、

長く伸ばそうとしない。


以前聞いたことがある。


「夜は短いから、

私の髪の毛も短いの」


「夜は長いよ?」


すると彼女は静かに微笑み、ぼくに言った。

夜空に光る、月のように、優しく添えて。


「昼の方が長いでしょ」


その意味がよくわからなかったけれど、

とにかく髪の毛を伸ばす

気はないようだった。




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