「げ…またあんたかよ」
「うわっ!こないだの…。」
静かだった室内がエンジンがかかって一気に振動でうるさくなり、
ピー。という音とともに運転席側のドアがしまった。
昼間はわりとすいてるこのバス。
ビルがいっぱい並んでる都会と比べたら、ここは田舎にあたるからだろうか。
北町行きのバスに乗ってるのはこの2人以外はみんなお年寄りだった。
おずおずとあたしが座ってる2人席のかたわらに座ってくる明るい茶髪のチャラっチャラした男子。
今日もこの間と同じようにズボンにつけてるチェーンがチャラチャラいってる。
「オレんなかで今1番会いたくなかったやつ、あんただよ…」
わかってるじゃん
「あたしも…」
そう、できれば「今」だけじゃなくて…一生
お互い
ある意味これから一生、人生に交わらないでほしい人だろうね。