あたしが上で
あなたが下。
いつもそうだった。
同じマンションという名の箱で育ったあたし達。
いつも一緒だった私たち。
だけど
近すぎるからこそ
見えなくて
それ以上近づけなくて
分かり合えなくて
距離を置かなければ
ならなくて
越えられないとこがあって
言えないことがあって──
ねえ棗?
今なら言えるのかな。
あの言葉を…。
きっと一生言えないわ。
この想いは私だけの秘密。
そして一生の宝物よ。
ありがとう。棗。