「先輩、何か言ってくださいよ」先輩はただ黙って“ありがとう”と言った。
一度でいいから
答えがほしかった。
どうして
彼女がなにもしないのか。
彼女が動こうとしないのか。
「先輩、
なんか言ってくださいよ」
彼女はただ
ただ黙って俯くばかり。
「辛いです。
先輩が好きすぎて、
辛いんです。」
彼女は
ただ真っ直ぐに
こっちを向き、
“ありがとう”
と、言った。