あやかし荘物語

作者悠太

魔力持ちの鬼(私)

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神様兼家主の御狐さま(白濱刻)



私は「墜ちて」しまいました。あなたに。



その人は云いました。



「僕のところで暮らせば善いよ」




と。




その優しい声音に、藍色の瞳に、私は「墜ちて」しまいましたーーー。







此処はあやかし荘。永きときを生きる御狐さまが運営する、神社兼アパート。




私は鬼。御狐さまに「堕ちた」、記憶を失くした神器。






御狐さま、御狐さま、願います。



どうか私の望みを叶えてーーー。