「生きる」ことを諦めた少女、架澄はひとりの少年に出会い、「生きる」意味を探していく。
五年前、兄が死んだとき父に言われた言葉。
「お前さえいなければ…」
このとき、わたしは十歳だった。
それからずっと、わたしは自分を見失っている。
何のために生きるのか。
誰のために生きるのか。
そんな疑問に、目を背けて生きてきた。
そんなとき、"彼"に会った。
会ってしまった。
わたしより、ずっと制限されたなかで生きる少年。
彼と接していくうちに、わたしは「生きる」ことを覚えていく。
―飛べない鳥は、飛ぼうとしない鳥―