ねぇ、
知ってる?
世界が色づく瞬間って本当にあるんだよ。
信頼して温かく私を見守ってくれている両親。
ご近所でも噂されるくらい仲の良い兄弟たち。
いつでも何でも話せる大親友。
にぎやかで騒がしい学園生活。
勉強も運動も
好きじゃないけど、
嫌いでもない。
毎日、
充実して楽しいって思ってる。
不満なんてない。
でもね。
時々、本当に? って声が聞こえた。
世界が白黒に見える日があった。
それが恋した瞬間に
本当に世界が一瞬にして彩やかになった。
キミがわたしに
『イロトリドリノセカイ』
を教えてくれたんだ。
【イロトリドリノセカイ】他短編集です。